ものづくりの世界におけるブランドリーダーの地位を、ヨーロッパがそうそう簡単に譲ってくれそうにもないが、かつてジャパン・アズ・ナンバーワンと賞賛を浴びた時代の日本は、プライスリーダーであり、且つクオリティリーダーだった。
ところがプライスリーダーの地位は、バブル崩壊から失われた10年を経て、自他共に世界の工場と認める中国やアセアン諸国に奪われて久しい。
しかし絶対に譲ることが出来ない最後の砦がある。クオリティリーダーである。
執拗に品質をつくり込み、極限まで完成度を上げるものづくりは、日本のお家芸である。
それを支えた源泉が几帳面さや勤勉さ、チームワークの良さだった。
ものづくりの現場を見て歩くと、元気な会社には末端までこの精神が浸透している。
規模に関係なく中小企業において然り。
日本人に特有の心を失えば、世界のクオリティリーダーであり続けることはできない。
最近の食品会社の失態などは何をか況わんやだが他山の石として、今再びものづくりの心を呼び覚ます時がきていることを痛感する。
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