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随想の広場

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経営セミナーと事例紹介

09.11.24
SAVS会員 千里技術経営研究所代表 加藤 骼i

 当支援センターの事務局として、経営セミナー講師派遣の窓口を担当しています。主催機関の方と時々お話ししますが、受講者から講師に対して、「多くの事例で説明して欲しい」、「職場で直ぐに活用できる内容」との要望が強いようです。その要望への対応は当然として、しかし、「基本をしっかり理解していただく」ことも強調したいです。

 講師の話がたとえ立派な内容でも、具体性がなければ受講者にはピンときません。生産改善の話ならば、個々の手法をどのようにして活用するか、具体例があると話は活きてきます。受講者の目も輝いてきます。
「なるほど」と思った改善事例を、職場に戻って活用していただくことは、非常に有り難いです。
しかし、事例をそのまま自分の職場に当てはめてはいないでしょうか。ひとつの改善手法も、その活用の仕方は、個々の企業、職場によって違います。業種、生産形態、設備配置、あるいは従業員構成、企業風土など、活用の場は少なからず違うはずです。事例をそっくり採用するのではなく、自分の職場に適するように検討して、自分の職場の改善手法として確立していただきたいのです。そのためには、改善手法の基本をしっかり理解していただくことです。基本をしっかり理解していれば、応用は難しくありません。基本と事例と応用力を身につければ「鬼に金棒」です。

 生産改善は、今までにも随分されてきたでしょう。改善という「雑巾」も随分絞ってこられたでしょう。「これ以上絞っても水は出ない」と言わないで下さい。一般的な絞り方を繰り返すのでなく、絞り方にも工夫をしてみましょう。雑巾の一番端をもって絞るとか、2人で絞るとか、道具を使って絞るとか、絞り方にも工夫が要ります。あるいは、形状とか材質とか、雑巾自体の検討も必要です。それには、改善という「雑巾」の基本を理解していなければなりません。今、元気な企業の多くは、このように広い範囲で雑巾絞りを考えてきた企業です。

 セミナー講師も、いろいろ努力しています。興味を持って話を聞いてもらうため、理解度の確認や受講者の意識高揚のため、あるいは昼食後に受講者が眠くならないか、事例や演習、動画、グループ・ディスカッションを取り入れるなどいろいろ工夫しています。基本をしっかり説明し、応用力を身につけていただき、より斬新な事例を紹介することで、受講者に喜んでいただくよう努めてまいります。


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