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随想の広場

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究極のコストダウンはゼロにすること

10.07.10
SAVS会員 桜井IT研究所代表 桜井 秀治

 コストダウンを図るのに、コストを層別する方法として、固定費と変動費に分ける考え方があります。例えば、
  製造現場では、段取時間と加工時間(加工ロット数分)
  購買発注では、発注固定費と加工費(発注ロット数分)
というように分け、前者を固定費とし、後者を変動費とします。この場合に、一個あたり費用は、
  (固定費+変動費)÷ロット数 で計算されます。

これを下げようとすると、ロット数を増やす、一個あたり変動費を下げる、という選択肢があります。それぞれの状況に応じて、コストダウンを繰り返し実施します。しかし、ある程度まで行き着くと、固定費を下げないと一個あたり費用が、下がりません。ここまで来ると、固定費も変動費もなくせないかとの、発想にまでたどり着いています。

 マクドナルドでやっている一杯120円のホットコーヒーなども、来客に他のメニューの購入を期待した変動費増大戦略に他なりません。

 「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」は最近亡くなられたレヴィ=ストロース氏の『悲しき熱帯』にあることばですが、人間をゼロにするという企業活動の行き方は、終りなのか、始まりなのか、果たして、どちらでしょうか?


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