自信家は言います。「この財産は自分の力で築いたのだ」「この会社はボクが自分の力で育てたんだ」。
確かに気持ちは分かります。ここまで来るには大変な苦労と努力があったはずです。しかし、自分の力だけでは絶対に何ごとも成就できません。
すべての人は誰かの、また何かのお世話になっています。たとえ身近では誰も協力してくれないように見えても、どこかで、誰かが、また何かが応援してくれているものです。「 お陰様」の心を忘れないようにしたいですね。
ここでお陰様とは、「どこのどなたか存じませんが、あなた様の陰徳のお陰で、今こうして生きさせていただいています」という心です。
「俺が、俺が」という人は目立ちますが、見えない所で善行を積んだり思いやりを示す人、つまり「陰徳を積む人」は姿を現しません。このような人は、過去から今まで、また世界中に無数に存在しています。この人たち(実際には森羅万象すべて)を思いやり、「ありがとうございます」と感謝する気持ちが「お陰様」です。
一時的な成功に終わる人は、「お陰様」の心を忘れていることが多いようです。ひとりで道を切り開いたと自負するのはいいとしても、「その道を造るための大地を用意してく れた存在がある」ことを忘れてはならないと思います。
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