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随想の広場

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「地震学」「地震考古学」「地震電磁気学」

11.07.01
SAVS会員 瓜生経営技術事務所・代表 瓜生 貞行徹

 3月11日の東日本大震災以後、東海地震、東南海地震、南海地震、等のプレート型地震の発生が喧伝されている。地震の過去の発生時期や内容は古文書などに記録がある。今回の巨大地震の発生プロセスについては多方面からの分析がされるであろう。分析結果は記録として残され、後世の人々には貴重な知見になる。

 「地震考古学」という学問がある。古代〜近世の遺跡を発掘し、地震や津波の痕跡を調査し、地震の規模や性質を解明しようとする学問である。百年単位の長期的な地震発生サイクルが解明できると言う。活断層の動きによる直下型地震の発生間隔が判明し、数百年後まで地震発生の危険がないと予測される活断層もあると言う。貞観11年(869年)に三陸沿岸を襲った巨大地震の津波の規模・範囲も把握していた。

 「地震電磁気学」という学問もある。科学的な因果関係が判然としないのが難点らしいが、巨大地震発生の数日前に電離層が乱れることがあると言う。電離層の乱れは超長波電波の伝播異常で捉えることができる。今回も、3月5日から6日にかけて、超長波電波の伝播異常が見られたという。

 「地震学」「地震考古学」「地震電磁気学」などの専門家が、使えるものは何でも使ってみるという考えで連携すれば、巨大地震の予測が「中長期」や「短期」で可能な時代になっていると思うが、「地震学」や「学会」の現状を知らぬ考え方であろうか?  巨大地震の「予測情報」は、災害対策を準備しなければならない関係者には有効な「情報」になることは間違いない。

 地震国日本が巨大地震を避けることは難しい。しかし、可能な事前準備をすることで災害規模や範囲を限定することはできると思う。


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