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随想の広場

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百貨店の再生に期待する

11.09.01
SAVS会員 ナレッジ21代表 中嶋 和雄

 百貨店の合併・再編、有名店舗の閉店が相次いでいる。老舗の三越池袋店、東京銀座の玄関として一世を風靡した有楽町マリオンの西武有楽町店。関西でも、そごう心斎橋本店、四条河原町阪急と、かつての都市百貨店を代表する店舗が姿を消していく。

 バブル崩壊後の1990年代半ばから続く百貨店業界の不振は眼を覆うばかりである。この10年で140社から86社に、店舗数は310店から270店に減った。業界全体の売上高は、9兆円から6兆6千億円に3割近くも縮小している。

 デフレ下で新興勢力にますます押されている。低価格を武器にする衣料品専門店や巨大な家電量販店、インターネット販売の台頭で、消費者の購買スタイルの変化も激しい。そんななか、百貨店業界は時代の変化をとらえきれないでいるようにさえ見える。

 150年前、パリで創業した世界初の百貨店ボン・マルシェは、豊富な品揃え、商品値札、派手なショーウインドー、季節セールなど新しい売り方に挑み、客の心をつかんだ。

 今も、デパ地下の食品売り場や全国駅弁フェア、地方物産展などのイベントに客があふれることもある。新しい商品構成や売り方に挑戦しながら好立地の百貨店の強みを活かす道はあると思う。百貨店の再生に期待したい、そんな思いの今日この頃である。


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