研究会メンバーによる随想をお楽しみください。
化学工業は、一般に素材型装置産業と言われている。大型装置で大量生産される製品はスペックと称される品質規格で明快に管理されている。 化学工業のような装置産業では、装置の運転をしっかり行えば良品が得られると思われている。 しかし、われわれが関係する中堅・中小化学企業は、与えられた素材に別の素材を加え、付加価値とか特殊機能を付与する加工型の産業である。 装置の運転を始め生産条件の調整が微妙に難しく、経験が尊重される。 極端な表現をすればハンドメイドである。 必然的に生産の振れは大きくなりがちで、品質は素材型化学品のように明快に管理されるものではない。 とりわけ、付加価値の評価は難しい。加工型化学品の品質評価が難しいのは、次のような要因があるからである。
日本の中堅・中小企業は、高度熟練者の技術に頼る部分が大きく、これが日本企業の強みであるが、化学企業も同様で、これらの難題をうまく処理できる人材の確保が不可欠である。 グローバル化の進展、その他多くの経営課題への対応を図るため、常時「人材資源」の再確認をしておこう。 |