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随想の広場

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ソーメン「揖保の糸」

12.07.19
SAVS会員 ビジネスプラン研究所 原田友康
毎年夏になると昼めしはソーメンが多い。とりわけ"揖保の糸"を食することが多い。おいしいからだ。
兵庫県手延素麺協同組合産で我が県播州地方の特産品である。この特産品の生産は約 500 の事業所から成り、全て個人事業所で法人のものはない。(ようだ)
自家の民家(ほとんど納屋)を活用した事業である。夏の暑い時期3ケ月間は生産は休止する。
この間に設備更新や点検が行われる。この時期に県が取扱う無利子の設備資金貸付(地域産業振興資金貸付)がよく利用される。この資金貸付診断に県からの依頼でちょくちょく行くことがある。

一事業所当たりの年間生産高は平均約3千万円程度の感じだ。500 事業所あるので 150 憶円となる。ネットで兵庫県手延素麺協同組合を検索すると年商 160 億円と記されていた。
従業員は家族を基本にパートさんが数名程度。生産休止期間はパートさんは失業保険を受給。冬の生産最盛期は家族は朝暗い内から生産仕事、切り詰めた経営がなされている。今までに5、6件の事業所に行ったがほんとに皆さん一生懸命な経営の姿が共通して見られました。そして事業を大切にしておられる姿も目の辺りに感じます。ブランド"揖保の糸"の恩恵を受けて成立つ事業者、生活をかけた家内工業、つましく堅実に生きている。今流に言えばソーメン業界のシステム(仕組み)はしっかりと根付いていて、システム内の一人一人は贅沢はしないまでも堅実に生きている。すばらしい日本の産業の一つを見させて頂くことができたことはうれしい限りです。


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