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DX関係 読書レポート&感想

21.03.02
SAVS会員 川田 國博
 デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)について
近年、各方面で多くの解説がなされている。私の場合、いくつかの解説を読んで一応理解できたような気になっていたが、自分が説明する場に立った時には,まともに説明できず、自分の理解が、断片的、表面的なものに過ぎないことを痛感している。
そんな状態の中で、DXとは何か、解りやすく説かれた一冊に出会った。
  「デジタルファースト・ソサエティ」と題する書物で、昨年12月に日刊工業新聞社から刊行された。編著者:福本勲氏、鍋野敬一郎氏、幸坂知樹氏。 (定価1,800円)
目次を開くと、序章:日本の製造業がDXで目指すべきコスト
第1章:第4次産業革命をもたらす背景、第2章日本の製造業が立ち向かうDX革命
第3章:「プラットフォーム・エコシステム」のビジネスモデル
第4章:ビジネスモデルの分類と事例の位置づけ 第5章モノづくり企業のDXへの取り組み① 第6章:モノづくり企業のDXへの取り組み② 第7章:複数のIOTプラットフォームに参画するアプリケーションベンダーの動き 第8章デジタルファースト・ソサエティに向けて 以上8章から構成されている。紙数156ページ

  第2章の中の「1.DXの本質」の冒頭で、「日本の企業には、DXがもたらす効果は、既存の業務プロセスの効率化だと考えている人が多い。しかしその本質は自分の立ち位置と提供価値そのものを進化・変化させることにある。
顧客接点や製品・サービスの提供形態の変化に伴うビジネスモデルの刷新、すなわち
モノづくりからコトづくりへの変革や、新たなステークホルダーとの関係性を含めた
エコシステムの構築こそが、DXの狙いである。
その本質はアナログからデジタルへの移行」「デジタルシフト」であり、人々を時間・距離・量・方向などの物理的制約から解放することである。」と説かれている一節がある。また
「5.DXによるコトづくり」では、「DXによるコトづくり化の本質は、モノづくりの場面とモノを使用する場面とをつなぎ連携させることである。その仕組みは、モノの使用場面の変化やニーズをいち早くモノづくり場面に反映し、それを使用する場面にフィードバックして顧客価値を向上させることにある。(中略」DXの成功の可否はデータにかかっているといっても過言ではない。(以下略)」としている。

 全体として、DXを第4次産業革命と位置づけ、DXの全体像を俯瞰し、その概容を読者に示したうえで、DXの進展していく方向、DX関連企業の具体的取り組み事例を紹介している。図解での解説など、DXについて初めて学ぶ人にも、解りやすく説明されている。 DXの基本的なコンセプトや最新の動向に関心をお持ちの方には、好適な参考書籍ではないかと考え、SAVS研究会の皆様にお伝えする次第です。
 



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